年間第31主日 C年

第一朗読『知恵の書』

知恵 11:22-12:2

今回の第一朗読は、神について見事にあらわしています。紀元前一世紀に書かれた知恵の書の著者が思っていたよりも、もっと大きな宇宙ですが、それでも神の御前では、「秤をわずかに傾ける塵、朝早く地に降りる一滴の露にすぎない」でしょう。

神は、「存在するものすべてを愛し」てくださいます。そして、みんなに回心する時間を与えてくださいます。

これらのことが、わたしたちの心に刻まれるように、この箇所をゆっくり何回も読むべきだと思います。

第二朗読『使徒パウロのテサロニケの教会への手紙』

二テサロニケ 1:11-2:2

テサロニケの教会への第一の手紙の言葉を誤解して、「主の日は既に来てしまった」と思っている信者がいたため、パウロはこの手紙の中で誤りを注意します。

「終わりの日」が、いつであるかわかりません。ですから、そのために、いつでも準備しておかなければなりません。

福音朗読『ルカによる福音』

ルカ 19:1−10

ザアカイは、二つの面で、わたしたちの模範になります。まず一つ目は、「イエスがどんな人か見ようとした」という、ただ普通の好奇心をもっていたことです。しかし、その好奇心がイエスとの出会いとなり、大きな恵みをもたらしました。

わたしたちも、キリストの姿だけではなく、どんな人であったかを、できる限り徹底的に、あらゆる面で知っていなければなりません。

どれほどあわれみ深いか、どれほど親切か、どれほど良い友達であったか、また、今でもわたしたちに対して同じようにしてくださる方であるかを、よく知るように憧れなければなりません。そのことを、福音書をたびたび読書する目標としましょう。

フランシスコ教皇は先日、「わたしたちは、自分の聖書を持っていなければなりません」とおっしゃいました。その聖書には、いろいろな注意書きや強調線、感嘆符などがあるはずです。みなさんの聖書は、どうでしょうか?

二つ目の模範になる面は、まことの回心です。罪をおかすときに、自分でも教会でも、決まった人に害を加えることがあります。たとえば、悪口を言ったとき、その害を善ではほとんど無くすことができないことがあります。その加えた害をなおすためにどうすればよいか、『ゆるしの秘跡』を受けるときに、どうしても考えなければなりません。

(文:キリストバル・バリョヌェボ神父)

徴税人ザアカイとイエス
Jesus summoning Zacchaeus the publican to entertain him at his house
William Brassey Hole (1900s)

参考文献

書籍『キリストへの新しい道』
著:キリストバル・バリョヌェボ神父

書籍『主日の聖書解説』
著:雨宮慧神父

冊子『聖書と典礼』について

毎週 主日のミサ で使われる冊子で、ミサで朗読される聖書箇所も書かれています。オリエンス宗教研究所 から発行されており、数週先のものまで各教会に置いてありますので、お近くのカトリック教会にてお求めください。