第一朗読『コヘレトの言葉』
コヘレト 1:2、2:21-23
このコヘレトの言葉(伝道の書)を書いた人は、数百年前の時代に生きていたソロモンが、もし生きているならば、このようなことをその時代の人に言うだろうというつもりで書きました。
「神を信じる」「空しさを悟る」など、反対の意見が書かれてあるので、わかりやすくするために3人または4人が議論していると解釈してもよいかもしれません。たぶん、同じ人の心の中に複数の気持ちがあったということでしょう。
第二朗読『使徒パウロのコロサイの教会への手紙』
コロサイ 3:1-5、9-11
わたしたちは洗礼を受け、古い自分に死に新しい人間となったはずです。この世的なものを捨て去り、日々新たにされて、キリストにならいましょう。
福音朗読『ルカによる福音』
ルカ 12:13-21
イエスは、人間の所有欲について、その空しさを簡単なたとえ話によって語られます。
聖書における貧しい人と富む人
- 飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。(ルカ1:52-53)
- 貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである。(ルカ6:20)
- 貧しい人は食べて満ち足り、主を尋ね求める人は主を賛美します。(詩編22:27)
- 貧しい人が呼び求める声を主は聞き、苦難から常に救ってくださった。(詩編34:7)
- 富に依存する者は倒れる。神に従う人は木の葉のように茂る。(箴言11:28)
- 富んでいる人たち、よく聞きなさい。自分にふりかかってくる不幸を思って、泣きわめきなさい。あなたがたの富は朽ち果て、衣服には虫が付き、金銀もさびてしまいます。このさびこそが、あなたがたの罪の証拠となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くすでしょう。あなたがたは、この終わりの時のために宝を蓄えたのでした。(ヤコブ5:1-3)
- 畑を刈り入れた労働者にあなたがたが支払わなかった賃金が、叫び声をあげています。刈り入れをした人々の叫びは、万軍の主の耳に達しました。あなたがたは、地上でぜいたくに暮らして、快楽にふけり、屠られる日に備え、自分の心を太らせ、正しい人を罪に定めて、殺した。その人は、あなたがたに抵抗していません。(ヤコブ5:4-5)
- 金銭の欲は、すべての悪の根です。金銭を追い求めるうちに信仰から迷い出て、さまざまのひどい苦しみで突き刺された者もいます。(1テモテ6:10)
- この世で富んでいる人々に命じなさい。高慢にならず、不確かな富に望みを置くのではなく、わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。善を行い、良い行いに富み、物惜しみをせず、喜んで分け与えるように。真の命を得るために、未来に備えて自分のために堅固な基礎を築くようにと。(1テモテ6:17-19)
(文:キリストバル・バリョヌェボ神父)
荘厳のキリスト
Haregarius (844-851)
参考文献
書籍『キリストへの新しい道』
著:キリストバル・バリョヌェボ神父
書籍『主日の聖書解説』
著:雨宮慧神父
冊子『聖書と典礼』の朗読箇所の下には注釈がついていますので、このページとあわせてお読み下さい。
冊子『聖書と典礼』について
毎週 主日のミサ で使われる冊子で、ミサで朗読される聖書箇所も書かれています。オリエンス宗教研究所 から発行されており、数週先のものまで各教会に置いてありますので、お近くのカトリック教会にてお求めください。