ミサ朗読について
わたしと共に 目を覚ましていなさい
マタイ 26:38
わたしと共に 目を覚ましていなさい
マタイ 26:38
パウロは、あの時代の信者たちだけではなく、わたしたちにも、「神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」と教えます。
第1の朗読の教えとは対照的に、また完成させるために、黙示録の言葉は「もはや悲しみも嘆きも労苦もない」神の国を、わたしたちの目の前に置いて励ましてくださいます。
キリストは、より素晴らしい救いをもたらすしるしとして、弟子たちと一緒に過ぎ越しの晩餐を開いて、その中に新しい契約の宴である御ミサと聖体拝領をお定めになりました。それに先立って、弟子たちに心の準備をさせるため、キリストは、奴隷さえも拒むことのできるあさましいこと、ひざまずいて人の足を洗うことを、ご自分の弟子たちになさいました。すなわち、お互いに愛し合い助け合うために、どんなにつらいこともすべきであると諭されたのです。今回の朗読箇所は、その後の言葉です。
もうすぐ死ぬとわかっているキリストの心を表現した"最後の晩餐の説教"と言われる、愛の溢れる話をなさいました。目の前にいる人達に対する愛だけではなく、世の終わりまでキリストを信じる人、したがって、わたしたち一人ひとりへの愛が溢れる話です。
死期の近づいた父親が、自分の子供達に、一番気になることを繰り返して言うように、キリストは何度も何度も「互いに愛し合いなさい」とおっしゃいました。「互いに愛し合いなさい。わたしがあなた方を愛したように。これによってあなた方が、わたしの弟子であるということを人々は知るでしょう。また、あなた方を孤児にはしない。恐れることはない。わたしは、世に打ち勝った。あなた方に、平和を与える。今のあなたの悲しみは、喜びに変わるのです。誰も、その喜びを奪うことはできない。あなた方をもう僕(しもべ)とは呼ばない。友と呼ぶ。」(ヨハネ13:33-16:33)
それだけではなく、優しいお父さんやお母さんのように、限りない愛をこめてご自分の弟子たちを「小さな子供たち」(ヨハネ13:33)と呼びました。
(文:キリストバル・バリョヌェボ神父)
書籍『キリストへの新しい道』
著:キリストバル・バリョヌェボ神父
書籍『主日の聖書解説』
著:雨宮慧神父
毎週 主日のミサ で使われる冊子で、ミサで朗読される聖書箇所も書かれています。オリエンス宗教研究所 から発行されており、数週先のものまで各教会に置いてありますので、お近くのカトリック教会にてお求めください。