復活節第4主日 C年

第一朗読『使徒たちの宣教』

使徒言行録 13:14、43-52

パウロとバルナバは、異邦人の宣教に向かうことを決意します。その決定によって、約1500年後、キリスト教はわたしたちの国に伝えられることになりました。この朗読の出来事は、それほどわたしたちにとって大切なことです。

第二朗読『ヨハネの黙示』

黙示録 7:9、14b-17

キリストの勝利に、誰にも数えられないほどの大群衆の信者たちが参加していることをヨハネは見ることになります。その数に、わたしたちも入っていることを希望しなければなりません。

福音朗読『ヨハネによる福音』

ヨハネ 10:27-30

復活節第3主日までの福音朗読は、出来事の順番通りに読まれてきましたが、復活節第4主日からご昇天までは、ヨハネ福音書の中で、これまでに読まれなかったところが読まれます。今回の朗読の場面は、エルサレム入城(枝の主日)よりも前に、エルサレムにお入りになった時の話です。捕らえようとする者たちの手を逃れて、イエス様は一度エルサレムを離れなければなりませんでした。

もう一度イエス様は、羊と羊飼いのたとえ話を使って、ご自分とわたしたちとの関係をあらわしてくださいます。今回の朗読個所の少し前(ヨハネ10:11-)で、ご自分が善い牧者であることを教えられて、今回の朗読個所では、その関係の特徴をあらわしてくださいます。それは、羊は羊飼いの声を聞くということです。

たびたび残念ながら、キリスト信者は祈る時に、頼む(願う)ということだけを行います。しかし、もうひとつ祈りの時に大切なことは、神の言葉を聞くという態度です。祈りの時には「主よ、お話しください。僕は聞いております」(サムエル上3:9)「主よ、どうしたらよいでしょうか」(使徒言行録22:10)という態度をとるべきです。

わたしたちは聖書によって、また、教会の教えと説教によって、神の声を聞いていますが、まだ、わたしが聞いたとは言えない場合もあります。しかし、神の言葉を聞くという気持ちで祈ったら、時々、すでに知っているつもりだった神の言葉が、自分にとって、もっと具体的な神の声になります。

たとえば、「ゆるしなさい」という言葉は、「○○さんをゆるしてあげなさい」と具体的になります。「信頼しなさい」は「いま、この苦しみの中で信頼しなさい」と具体的になります。これが羊飼いの声を聞くということになります。

今日の福音書の最後の言葉、「わたしと父とは一つである」は、キリストご自身の神性の非常にはっきりした宣言です。その言葉を信じて祈りましょう。

(文:キリストバル・バリョヌェボ神父)

善き牧者
El Buen Pastor
Bartolomé Esteban Murillo (1660)

参考文献

書籍『キリストへの新しい道』
著:キリストバル・バリョヌェボ神父

書籍『主日の聖書解説』
著:雨宮慧神父

冊子『聖書と典礼』について

毎週 主日のミサ で使われる冊子で、ミサで朗読される聖書箇所も書かれています。オリエンス宗教研究所 から発行されており、数週先のものまで各教会に置いてありますので、お近くのカトリック教会にてお求めください。