年間第17主日 B年

第一朗読『列王記』

列王記下 4:42-44

たびたびのように、旧約の朗読(第一朗読)と福音書の朗読(福音朗読)は非常に関係があります。旧約の出来事は、新約の出来事の予めのしるし、または預言のようなものです。ただ、新約の出来事は似ていても、もっと素晴らしい実現です。

旧約 新約
アブラハムとイスラエルとの契約 キリストによるすべての人との契約
エジプトの奴隷からの解放 永遠の滅びからの解放
小羊の血によって解放 キリストの血によって解放
過越 新しい永遠の過越
エリシャによってパンを増やす キリストによってパンを増やす
天からのマナ 天からのご聖体
(聖)地=イスラエルの国の土地 真の聖地=天の国

第二朗読『使徒パウロのエフェソの教会への手紙』

エフェソ 4:1-6

エフェソの教会への手紙の4章のはじめから、パウロはキリスト信者の道徳的な生活について、素晴らしい勧めをします。(時々これを読んで「良心の究明」をすることが非常に望ましい)最初に信者全般について、後から信者たちの違った状態(男・女、両親・子供、自由人・奴隷など)について述べています。

まずパウロは、時々私たちがあまり注意しないことを強調します。私たちキリスト信者は皆、神から特別に招かれています。特別な恵みを受け、召し出しを受けています。その恵みに応えるべきです。その応えとして私たちは、お互いに愛による一致を守らなければなりません。

福音朗読『ヨハネによる福音』

ヨハネ 6:1-15

注意すべきことは、パンを増やす奇跡が、4つの福音書に書いてある唯一の奇跡ということです。ヨハネが福音書を書いた時代には、マタイ・マルコ・ルカの福音書はすでに教会に広がっていたので、出来る限り既に書かかれていたことを繰り返さないようにしました。その例外が、このパンを増やす奇跡です。ヨハネが次の章で書く、ご聖体の約束の説教と非常に密接な関係があります。それだけではなく、マタイとマルコの福音書では他の場面でも、こんな奇跡があったことを主イエスさまが思い起こさせました。

「まだ、分からないのか。覚えていないのか。パン五つを五千人に分けたとき、残りを幾籠に集めたか。」

マタイ16:9

「わたしが五千人に五つのパンを裂いたとき、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」弟子たちは、「十二です」と言った。

マルコ8:19

またヨハネは、奇跡であるということを強く伝えるために、籠のパン屑は、その五つのパンからの屑と書きます。いつもの通り、奇跡はいろいろな意味があります。ご聖体との関係以外に、たとえば、家に帰る途中で飢える危険にいた群衆に対する憐れみもありますし、一般的に私たちのあらゆる飢えをキリストが満たしてくださるという意味もあります。

(文:キリストバル・バリョヌェボ神父)

参考文献

書籍『キリストへの新しい道』
著:キリストバル・バリョヌェボ神父

書籍『主日の聖書解説』
著:雨宮慧神父

冊子『聖書と典礼』について

毎週 主日のミサ で使われる冊子で、ミサで朗読される聖書箇所も書かれています。オリエンス宗教研究所 から発行されており、数週先のものまで各教会に置いてありますので、お近くのカトリック教会にてお求めください。